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2008-04-13

はてなの一般化を妨げる「ジャンルカテゴリー嫌い」

もともとはてなは、検索エンジンが使いにくい父親を助けたいと思って人力検索を作ったところから始まった。それがだんだんと、インターネット好きの先進的ユーザー以外が見えにくくなる視野狭窄状態になってきているように思う。

友人がかけてきてくれたひとことは、そうした僕らの活動に対する愛情を込めた警告だったのではないかと感じる。もう少し視野を広げ、そこからユーザーを拡大していきたい。

うさんくさい - jkondoのはてなブログ

あらためて物議を醸している話題ですが、こういう意識自体は、けっこう前からはてなスタッフの皆さんの中にあるはずです。

しかし3Dインスタントメッセンジャー「はてなワールド」は論外としても、“先進的ユーザー以外”を狙った動画だら見サービス「Rimo」の一般的普及の失敗、本来ほとんどのブログで導入可能な「はてなスター」の一般化の停滞、お題でつながるミニブログ「はてなハイク」もキャンペーンで集めたユーザーがすぐに離れ常連化が進む状態とあっては、なかなか重症と感じてしまいます。

「この人が使えなければ意味が無い」というベンチマークを定めて*の開発も始めたそうですが、これもユーザービリティの話なのでユーザーエクスペリエンス全体を一般向けにできるかどうかは別でしょう。私はプログラマーにその手の才能が必ず備わっているべきとは思いませんで、優秀なWEBディレクターが増えたり、より活躍できる環境にならなければ、改善は難しいのではないかと思います。

ただ今回、サービス開発の「コンセプト」がいけないというのではなくて、「視野」の問題であるとされた近藤さんの発言にも期待してみます。たぶん、一から「一般受けする」サービスを発案するというだけではなくて、今あるサービスを視野狭窄から解き放ってユーザー数を100倍にすればうさんくささは減る、という意味合いもあるのだと思うのです。

前置きが長くなりましたけども、そこで指摘したいのははてなの一般化を妨げている「ジャンルカテゴリー嫌い」です。素人考えですし、あまり主張する機会もなかったのですが、ずっと感じてました。

はてなの開発者さんはサービス上に恣意的なカテゴリーを設けるのが嫌いなんですよ。ダイアリーキーワードやブックマークでもスタッフ側からカテゴリー廃止案が出た事がありますし、ナオヤさん自身はそんなにカテゴリー嫌いではないかもしれませんが、実際はてブのトップにはカテゴリー別の案内がありません。はてなブックマーク - 人気エントリー - アニメみたいなページにいくと、カテゴリーを一覧できますしRSSも配信してますが、わりと隠れた機能です。もっと表に出せばユーザーも精度を上げてくれて良くなるんじゃないかと思うんですけどね。

これってアクセス数の多い情報サイトでは珍しい設計だと思うんです。Google ニュースだって、タグ主体のニコニコ動画(SP1)だって、“先進的ユーザー以外”も見てそうなasahi.comだってサンスポ.COMだって動画ファイルナビゲーターだって、トップページのメインコンテンツの前に8〜30くらいのカテゴリー一覧を表示してますよ。

カテゴリーを選ぶ動作はユーザーの能動的なアクションを手軽に引き出しますし、ユーザーは興味のある分野の情報に集中できます。そして「その人にとって面白くない情報を少しでも見せないようにできる」という利点を、おそらくはてなは軽視しています。面白くないと思われることについてのシビアさを感じません。

または、それはトップページにゴテゴテ並んだカテゴリーなんかじゃない何かによってなされるべきだと思われているのかもしれませんが、実際にはできていません。はてブトップページは検索窓にキーワードを打ち込むというハードルを超えさせようとしたり、即座には選びようのない分岐点タグ一覧に案内します。したがってほとんどの来訪者はアクションせず、トップページのメインコンテンツである記事タイトル群をざっと眺めて、自分には必要のないサービスだと判断するでしょう。

はてなグループ - グループ一覧もちょっとグールプ作成者にカテゴリー登録させておけば新規ユーザー参加の案内になるかもしれないのに、やらないですよね。動画サービスは、オールジャンルの中から20程度に分けたからといって趣味に合うものを提供するのはなかなか難しいですが、Rimoが最初の頃ボタンリモコンに4チャンネルだったのは、いかにも少なすぎました。

トップページでジャンル分けを提供しないことが、ユーザーのコミュニティや、サービスのイメージにも影響します。今のはてブの気風は、トップページで最も目立つ人気エントリーにおける記事のジャンルの偏りが、より強調されて定着している面があると思います。

はてなハイクもやはりトップページ社交界とでも呼ぶべきコミュニティを感じさせます。これは別に特定のメンバーが組織的に仕切っているという意味ではありません。「少人数だけで盛り上がってトップページの最近エントリーを席巻してしまうのは嫌がられるだろうな」という遠慮や、「トップページに表示されているうちにスターをもらいたい」といった意識が働いて、トップページコミュニティの磁場のようなものを感じるのです。もちろんそのトップページコミュニティの良さというものはありますし、今のままのハイクが最高!という方には申し訳ないのですが、以前書いたようにこれは多様なユーザー定着・獲得の障壁になっていると考えてまして、はてなアイデアで検討中のカテゴリー的機能を実装し、トップページ「みんなの最新エントリー」への一極集中を避けないことにはサービスの大きな発展は無いと考えています。先ほどの「その人にとって面白くない情報を少しでも見せないように」する点も重要で、エントリーを書かないと見ているだけではあんまり面白くないというのはハイクの特徴ですが、やはりざっと見ていて面白い投稿に出会う確率が高いのに越した事はありません。

ジャンルカテゴリー嫌いは、Web2.0病から来る視野狭窄です(断定)。「とにかくシンプルなほうが万人向け」だとか、「10も20もカテゴリーを求めるのはネットのディープユーザー」だと言う誤解があるのかもしれません。

もちろんなんでもかんでもカテゴリーをとは言いませんが、はてなのサービスにはジャンルカテゴリーがよく機能しそうなものも多いと感じます(私が『インターネット好きの先進的ユーザー』で、見当違いをしてるのでなければ)。一度、トップページにジャンルカテゴリー一覧が無いことによる、深刻な損失について想像されてみてはいかがでしょうか! >id:hatena、でいいのかな。

(追記)その後11月のはてブリニューアルで、ジャンルカテゴリーは目立つところに配置され、改良も進みました。私は前より面白い記事に出会えるようになったと思います。

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