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2007-10-04

はてブコミュニケーション機能がコメントの多様性を奪うという理屈

はてブエントリーページって、以前に比べるとコメントパーマリンクが分かりやすくなったり、ユーザーアイコンが表示されたり、IDコールが送信されるようになったり、はてなスターがついたりして、ずいぶんコミュニケーションをとりやすくなってます。

そのことがコメントの多様性を奪う可能性について考えてみました。つまり、空気を読みあってコメントが萎縮してしまい、同じような意見にまとまる傾向が強まるはずだと思うのです。

人が集まったとき、異なる意見スムーズに出てくるための条件を考えますと、

  1. 自由発言の場が整っている
    • 人が沢山いても、お互いを意識しないですむ仕組みになっている。
    • 参加者の流動性が非常に高い。
  2. 議論の場が整っている
    • 爽やかでくつろいだ部屋にみんなで集まって、上手な進行役がいる。
    • 参加者全員が議論のしかたを熟知していて、議論する気もある。

といった条件が理想的だと考えられます。1の場合はつまり、何を言いっぱなしにしてもとにかく発言のリスクが低いということ。2は、意見の相違が「相互理解のきっかけ」として歓迎されます。つまり発言のリスクはあるけれど、それに見合ったリターンが期待できる場合。

これをブクマコメントに当てはめますと、発言のリスクはじょじょに高くなっているはずです。自分のコメントだけ星がつかなくてガッカリするかもしれませんし、idコールで何か指摘を受けるかもしれません。ユーザーアイコンで覚えられやすくなってますし、名指しで叩かれる日が来るかも。

まあブロガーなら誰でも負っているようなリスクですけども、多くの人は手軽で気軽だからブクマにしているわけで、そうなるとコメント機能に求めるところは「見返りは少なくても気軽な発言」。漫然と……気安い言及! 覚悟なき……! 決意なき……いや、もともとそういう気軽な自由発言を集めて見せるところにエントリーページのweb2.0的な醍醐味があったわけですが、常連さんも知られてきてますし、流動性も充分でないところ*1コメント萎縮の条件はじょじょに増しています。

特に「空気を読まない発言」をした場合のリスクの増加に対して、「はてブスターがもらえる」ことはリターンとして機能するでしょうか? おそらく、そう感じる人は少ないでしょう。笑えるような面白いコメントをしようという意識は高まると思いますが。

はてブエントリーページが「相互理解」に至るための議論の場としてはまったく適当でないこともご存知の通り。そもそもブログですら議論しやすいツールとは言い難い*2のですから、いわんやブコメをや。場も適当でない上に、ユーザーもとくに議論を望んでいないわけですから、対話が成立するほうが不思議でしょう。自己主張をすることで新しい見地が得られるという種の期待も低いのです。

エントリーページで他ユーザーとぶつかる主張をしたときの発言者リスクは高くなっているのに、リターンは低いまま。それが付和雷同クネクネを助長してコメントの多様性を奪うことは充分考えられるのであります。

もう各ユーザーが、つねに問題発言するくらいの決意がなければ、この状況を打破できないかもしれません。いや、このくらいの状態で良いのかもしれません。よく分かりません。

*1:というかソーシャルサービス的には流動性はそんな高くなくていい

*2:関連記事:別冊はてな話 - ウェブ上での議論専用のツールを考えてみる(中)

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