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はてなに限った話ではないのですが、
はてな発信者情報開示関連事例 - 機能変更、お知らせなど
- 07033001警察からの発信者情報開示依頼
- ダイアリー記事中に自殺をほのめかす内容があったとして、警察より発信者情報の開示依頼あり
- 自殺の方法や日付などが具体的に記述されており、投稿内容から投稿者が自殺を決行する危険性が切迫していると判断した
- 人命保護の観点から、弊社プライバシーポリシー 4-6に基づき、当該投稿に対するアクセスログおよび投稿者の登録情報を開示した
これを読んで、警察から照会があっても独自にはてなが自殺の方法や日付などが具体的に記述されており
という投稿内容を受けて投稿者が自殺を決行する危険性が切迫していると判断
する必要があるのかな、と疑問に思ったのですが、インターネット上の自殺予告事案への対応 に関するガイドライン(PDF)を読んでみると必要なようですね。
プロバイダ等が、自殺予告事案において、警察に対して発信者情報を開示することが許されるためには、刑法第37条第1項本文に規定する緊急避難の要件を満たすことが必要である。
こういう場合の発信者情報の開示は緊急避難として行える行為だったんですねえ。
そして「緊急避難が成立するための要件」のひとつとして「① 自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難があること(現在の危難の存在)」があり、
危難とは、法益(自己又は他人の生命、身体、自由又は財産)に対する実害又は危険の状態をいう。危難は客観的に存在することが必要であり、単に行為者が主観的に予想しただけでは足りないと解されている。なお、正当防衛(刑法第36条第1項)と異なり、危難は違法な侵害であることを要しないとされている。
緊急避難が成立するためには、「現在の」危難があることが必要である。一般的に、「現在の」危難があることとは、法益の侵害が現実に存在する場合のほか、その危険が目前に切迫している場合(間近に押し迫っている場合)を含むと解されている。
ということになり、
実際の自殺予告事案について「現在の危難の存在」を検討する際は、①発信された日時、②発信された情報の内容(自殺を行う具体的日時・場所の記載の有無、自殺する旨の意思の表示の有無、自殺する動機・手段等の記載の有無及びその具体性・実現可能性等)に加え、③当該書き込みがなされている電子掲示板等の性質、他の書き込みの内容等のインターネット上から得られる情報、④警察において110番通報者等から入手した当該発信者に関する情報(日頃からのインターネット上における自殺を伺わせる言動等)等が存在する場合には、その提供を受け、これら
という判断基準になると。(そのためには警察からサービス業者に受け渡すの情報の充実と警察からの照会であることを迅速に確認できる手段を……となっていく)
しかし実際の判断はいかにも難しそうです。「他の書き込みの内容等」を確認するのは警察も業者も時間がかかるでしょうし、ずっとウォッチいている読者だけに伝わる信憑性もあるでしょうし。
ネットで自殺予告64人を特定 接続業者に情報開示を請求-事件ですのニュース:イザ!というニュースを読んだ時にも感じたのですが、こういった自殺を止める側の手法が分かってしまえば「現在の危難の存在を知らせる書き込み」は減ってしまいそうですよね。
警察に利用情報を開示されることと、自殺が行われることでは事の重大さに開きがあるので、それほど高確率の書き込みでなくても照会が行われてかまわない(上の記事では64人のうち20人がいたずらだったけど、本物44人に対しいたずら200人でも良い)、というのが個人的な感想です。こういう場合の業者の免責が拡大されたほうが良いのでは。
そもそも行われようとしている自殺を止めることは難しい(止めた後も難しいでしょうし)、コストもかかるし確率も低い。救えなくても第三者の責任ではない、とは思うのですが、実際にこういった事例に接し判断をしなければいけない立場を想像すると、かなりの心労だろうと改めて思いました。
2004年にあった住所登録騒動の近辺で、はてなのプライバシーポリシー案ができた時点で
-「ユーザー自身または第三者の生命、身体および財産等に対する差し迫った危険があり、緊急の必要性がある場合」に個人情報が開示される
と言う案に既になっていて、「善意の第三者(自殺ほのめかし書き込みを見た人)」→「警察」→「はてな(アクセス元を特定)」→「警察」→「プロバイダ」経由で発信者を特定していくのが面倒で、はてなが住所氏名を管理しちゃえば問い合わせ対応も(はてなとしては)楽だと思ったのかー的に考えたこともありました。
「うっかり死にたいと書けなくなる」とか自分のダイアリで書いていたりしていました。
(「死にたい」程度じゃ実際に警察もプロバイダも動かないにしても、いちいち警察にご相談しに行く「善意の第三者」が怖いとかの意味合いも込めて)