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はてな話じゃないのですが前のパラレルワールド話に関連するのでこちらに感想文を。
私、SF小説は海底2万マイルくらいしか読んだことがなかったのですが、パラレルワールドを扱ってるということと究極のハードSFというふれこみから読んでみました。
あーー、宇宙論じゃなくてエヴェレットの多世界解釈のほうの平行宇宙なんですねーーー。
量子論の多世界解釈で観測できない世界を使って物語をするのって、背景や展開が制約を失ってなんでもありになる所が(ほんとにそんな無制限なバリエーションが存在するのかという印象も含め)好きじゃないですねえ。でもエヴェレットの多世界解釈 - Wikipediaを読むとけっこういろんなSF作品で使われてるのですね。
意識のコピーという設定も、現段階では意識のハードプロブレムを隠れ蓑にしたファンタジーですよね。量子脳理論もありますし、意識をモデル化にしたって、デジタル化できるのか、しかもその時代で、という疑問がつきまといます。
でもこの話の面白かったのは「永遠を約束する」という核心のテーマについては論理的で、そこへ話を持っていくために大小さまざまな飛躍のアイデアが贅沢に用意されている所です。ミチオカク流に行くと何億年後とかになっちゃうかもしれない宇宙脱出を今世紀中にやるわけですから。
あとがきでも"論理のアクロバット"という表現がありましたけど、そういうホラに楽しく騙されるのがこの本の楽しみ方なわけですね。ええ、まあ充分楽しくて、世界観的続編の「ディアスポラ」も買って今読み始めてますけどね。楽しかったです、ええ。