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2006-03-10

ありがとう無体ブースター

ブックマーカーエントリー宇宙へ運ぶ概念図。エントリーはひとりでは飛べないのですね。

そういえば今朝、この日記エントリーを運ぶブースターを見たんです。そのブースターが1ゲットで下の記事を「儀礼ブックマーク」してくれると、エントリーはあっと言う間に注目エントリー圏に達したのです! わー。

エントリーが軌道に乗ると、そのブースターエントリーから離脱していきました。まさにfavの多いブックマーカーとして、エントリー宇宙へ牽引してくれたのです。

エントリーはホットエントリー圏を順調に飛行中です→はてなブックマーク - betaグループ - 別冊はてな話 - 注目の新サービス「はてなわんわんワールド」今後の展開は?(またHotwired風)

ありがとう、無体ブースター。ありがとう、ブーストブックマーク

あっ! 近藤ブースターが!! 機体分裂して飛んで行ってしまった! (いやいやありがとうございます)

明日にでも外れるかもしれない記事です。あとわんわんワールドの記事書かないようなこと言っておいてすみません。

注目の新サービスはてなわんわんワールド」今後の展開は?(またHotwired風)

はてな実験的なサービスを提供するはてラボの中で、もっとも話題を集めているサービスが2月25日に発表された「はてなわんわんワールド(要ログイン)」だ。このサービスの今後の展開について、またかなりの先走りを承知で考察してみたい。

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はてなわんわんワールド」ではユーザーが犬のキャラクターとなり、Google Maps APIによって提供される世界地図上を駆け回り、出会った他のユーザーと「ともだち」関係になるなどして遊ぶ。インターネットサービスの中でコミュニケーション要素の高い「MMORPG(多人数参加型オンラインRPG)」のゲーム的要素を無くして「SNS」の要素を強めたようなサービスだ。「MMOSNS」とでも呼びたくなる。

早くも本サービスへの期待が高まっているという。去年2月にリリースされ、デジタルコンテンツグランプリ優秀賞を受賞した「はてなブックマーク」のように、わんわんワールドは今年、はてなの顔としてブレイクする新サービスなのだろうか?

しかし、正式サービス化への道のりは案外遠いという見方もできる。正式リリースに少なくとも半年以上かかり、新機能やユーザー増加を期待する人々をヤキモキさせるという展開も充分ありうると主張してみたい。

また完成したサービスは、MMORPG的な発展を期待するユーザーSNS的な発展を期待するユーザーを双方とも裏切るものになるかもしれない。まだ「はてなわんわんワールド」の基本理念ははっきり見えてこないからだ。

はてなわんわんワールドコミュニケーションツールなのか?

現在のわんわんワールドはかなり純粋コミュニケーションツールだ。ユーザー達はたまり場の渋谷周辺に寄り集まって会話できるユーザーを増やしたり、チャットともブレインストーミングともつかない発言をしあったり、少人数で混雑しない場所で話したり、マスゲームのような遊びに参加したりして過ごしている。Firefox用ツールyakalikeを利用してスタッフがユーザーとチャットする展開もあった。地図上の地点にしばられない会話も可能になるかもしれない。

異なるジャンルで活躍するユーザーが交流しやすく、はてなスタッフとも割と気軽に話せるといった特徴も指摘されている。

ユーザーアバターアカウントプロフィールと結びつけたキャラクター)化、視覚化された場の共有、友達作りのしかけ、チャット的なメッセージ交換、それらはすべて「コミュニケーション」に結びつく。従来のはてなに無かった即時性の高い情報交換は、今後も基本的な特色として活かされていくだろう。

しかし「新タイプコミュニケーションツール」としては、リリース当初から完成に近い印象を受けた。これで完成度が50%以下だとすれば、どうなれば正式化レベルなのだろうか? そもそも、はてなわんわんワールドは「コミュニケーションツール」なのだろうか?

従来のサービスと比較すると、はてなわんわんワールドが正式化にあたって足りないものも見えて来る。完成型を想像するにあたって、ある程度サービスを既存の型に当てはめて考察してみよう。

はてなわんわんワールドに足りないもの

現在のはてなわんわんワールドに足りないと感じられるのは、「みんなで使うことによって便利になっていく」「はてなの他サービスに相乗効果をもたらす」というはてなのツールに共通する特徴だろう。

わんわんワールドはどんなに仲間を作りやすいにしても「プライベートモードしかない」という、はてなにおいては特殊なサービスであることが気にかかる。

はてなでは、近藤代表のインターネットは知恵を預けると利子をつけて返してくれる銀行のようなものという発言通り、およそすべてのサービスは公開して使うことが基本となっている。多くのサービスでは「プライベートモード」も用意されているが、それは“利用者の大勢を占めない限り許容されているオプション”といった印象だ。

たとえそれがサービスの肝であっても、「プライベートモードしかない」ということは今まではてなが見せて来た姿勢からは“無し”になる材料なのだ。非公開性は「ウェブ情報を提供しない」ということでもある。

ウェブ上で発言することに慣れたはてなユーザーの中には、「ウェブに公開しなければ存在していないのと同じ」「活動情報の記録がないと個人的に何も残らない」という感覚に近い人々も多いだろう。

多くのユーザーが「ここで情報を出すのは損だ」と考えて、情報が逃げてしまえば、わんわんワールドで良い情報(面白いこと)にありつける期待値が低くなる。

もちろん「コミュニケーション」はコンテンツ化するが、情報利得の少ない環境純粋な交遊を続けるには、遊びを思いつく才能とそれに馴染む適性がいる。多くのユーザーが適性にもれて、つまり飽きてしまうだろう。

MMORPGならば、ゲームによってユーザーに娯楽を提供するところだ。わんわんワールドも基本的には地図と言う遊び道具があり、随時アトラクションが増えていく可能性はある。だがそのままユーザーを飽きさせないように開発と管理を続け、MMORPGのような収益モデルを取ることは、はてなではまずありえない。

それよりは「情報が逃げるスパイラル」を断ち切ってしまう方がコストが安い。そうなればユーザーも“わんわんワールドに知恵を預けた利子”を受けられるかもしれない。わんわんワールドが部分的にしろ「公開性を持つ」のは、ありそうなことだ。

ユーザー発信情報に「公開性」を持たせる展開

例えば地図上のある地帯だけは会話がウェブに公開で、ログが取れるような実装が考えられる。また、RSSでだけ外部に自分のコメントを公開するといった方法もあるだろう。

非公開のSNSを貫くのではなくて、非公開から公開までの段階を持ったサービスになっていく形だ。コメント設定が「非公開」から 「わんわんワールド上で公開」〜 「ユーザー名を伏せて一般公開」〜「一般公開」などと段階化することも考えられる。

コメントごとに自分の情報開示のレベルを決めるとなれば大変かもしれないが、それもはてなユーザーなら「ちょっとしたコメント」を使う程度の手間かもしれない。「ちょっとオフレコ」をオンオフするぐらいなら使えそうだ。

本人による情報開示レベルの宣言があると、他の人がその会話を公開しやすくなるだろう。誰の発言なのか分かる場合は、本人が設定した情報開示レベルを参考に「普通の引用」をすれば良い。会話には著作権が適用されない可能性が高いので、プライバシー侵害の心配がなければかなり自由に使える。

現在よく見かける、キャプチャでわんわんワールドの他のユーザーコメントを公表するやり方はプライバシーの観点から問題があると思うが、本当に問題化したという話はまだ聞かない。実際には、多くの“犬活動”は公開できるのだろう。

また有名ブロガーや知り合い同士の会話が交わされていれば、それを読みたいという需要はあるだろう。会話のログをあえて保存し公開する意味は「流れて残らないからこそ良い」というチャットの美徳を凌駕するかもしれない。

わんわんワールドが正式化する頃には、もうSNSにこだわっていないという展開はあり得るだろう。

公開と反対の方向

一方、対外的に価値がある情報はほとんど発信されなくて良いという、まったく反対の方向も考えられなくはない。「きめ細かいアクセスコントロール」が可能で、「情報発信リスクが低い」ことを活かした空間づくりだ。

例えば子供のような初心者が自由行動しやすいネット環境の提供がある。キッズgooのように子供が見て良いページを制限するのではなく、子供の活動履歴をわんわんワールド上に残して、親に見せやすくする。子供に話しかけている人の発言を周りから見えやすくする。そういう情報発信リスクの低い場所で活発に活動をさせて、人を育むような方向はどうだろう。

筆者のアイデアで恐縮だがはてなアイデアのように徹底的に情報を消費する側に回る発想もある。ソーシャルブックマークもひとつのページについて多人数で盛り上がるという要素があるが、それをわんわんワールド上でやれば娯楽になりそうだ。

犬になって遊ぶというコンセプトだけの可能性

もっと懐の深いサービスだ、という可能性もある。わんわんワールドを開発した草野氏は、はてな実験場「はてラボ」を提案した本人だ。わんわんワールドもあらゆる機能が実験的に盛り込まれていく「器」なのかもしれない。

だとすれば、はてなわんわんワールドは公式の発表通り「世界地図の上でいぬになってあそぶことができるサービス」とだけ受け取るのが妥当なのかもしれない。それ以外の型にはめる決めつけは、むしろ理解の邪魔となる危険性もある。

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駆け足で予想をしてみたが、突然怪獣が暴れるようなサービスだ。具体的にどうなるかは想像もつかない。まだまだ様々な可能性があることを楽しみにしつつ、気長に待つのが良さそうだ。

このサービスにはすでに画期的な価値があり、対人的な壁を「犬化」の導入で取り払うと言う素晴らしい発想が実現している。今後も制作者のwanpark氏は難しい舵取りと困難を強いられるだろうが、その重圧を乗り越えて充実したサービスを提供してくれることを心から願っている。

[ id:sugio ]

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