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2006-01-03議論ツール話:「良くない意見」の対処方法

今考えている(私に作成能力はない)議論ツール仕様で、いわゆる“詭弁”や、「レトリック(修辞法)」に対する「指摘」をどう扱おうかという問題がありました。それだけ分けて書いておきます。

基本的な対処法

これは今回のツールのお手本である「議論のしかた」では真の詭弁として非推奨事項となっています。「詭弁だ」と指摘する側のほうが、理由無き「意見の否定」をしているわけで、詭弁に陥いるのです。

「議論のしかた」が汎用的で優れているのは、いわゆる“詭弁”を発見した際にその言葉使いは問題にせず、実は不確かである因果関係について「質問する」、もしくは相手の論が未証明であったり、論が矛盾しないでいられる前提が非常に限られたものである事を説いて、相手の論はまだ価値の低いものではないかと「質問する」と言う、シンプルな解決手段(議論のしかたの基本ルールと同じ)を提示しているところです。その方法なら

  • 詭弁だ」と考えた判断が誤りであった場合のリスクを回避できる
  • 議論が本筋から離れることを予防できる

という利点もあるでしょう。

レトリックや「良くない意見」に対する指摘が有効な場面

しかし、「質問」の行程をカットして議論のアンチパターン翔ソフトウェア (Sho's) - オブジェクト指向 - コミュニケーション パターン - 議論パターンより)や詭弁のガイドラインで紹介されているような、意見パターンの指摘をしたい人も多いでしょう。

パターンは「なぜその意見が議論にとって有益でないのか」を論理的に説明していないため(議論が進まない、効率的・建設的でないといった議事進行上の理由はルール化しないと通じない)、アンチパターン『アンチパターンの指摘』が入っているように、他人に適用しようとしても無理が生じます。

けれど“参加者の利害が概ね一致”していたり、会社のように“ルールの徹底が計れる”条件下では「推奨パターン・禁止パターン」を設定して「良くない意見に対する指摘」をOKにすることができます。議論を省略して効率化できるかもしれません。

私が欲しいツールはウェブ上で不特定多数の人と議論を構築できるものなので禁止パターンなどのルール化を標準にする事は出来ませんが、

  • 「良くない意見に対する指摘」で議論を短縮できる可能性がある
  • 「良くない意見に対する指摘」をしてほしい参加者には有益な意見である
  • 「良くない意見に対する指摘」をしたくなる人を満足させ議論の混乱を防ぐ

という利点も無視できません。もし議論ツールがはてなグループのようなグループウェアに実装されたらなおさらです。

「議論のしかた」でも「良くない意見」のまとめの中では相手の態度に不満を感じたら、不満を感じた事をその理由と一緒に言いましょう。として、議論のやりとりについての言及は肯定されています。

「良くない意見に対する指摘」の仕様

議論ツールはツリー掲示板型で回答エントリーと質問エントリーの交換でできる意見ツリーから成りますが、「良くない意見に対する指摘」は良くないとされるエントリー自身に書き込むものとして、意見ツリーから除外します。

意見エントリー内に以下のような送信フォームを設けて、「良くない意見に対する指摘」だけを行います。

この意見に対する指摘

当てはまる意見パターン

ではないかヘルプ

該当箇所

理由

送信すると指摘が書き込まれ、意見ツリーの画面でそのエントリーに「指摘あり」の表示がされます。

これは意見に対するレッテル張りであり、元の意見者はこれを拒む事が出来ません。ただ、この指摘はエントリー化しませんし回答しなくても「質問を受けた」ことになりません。つまり、指摘を受けた意見自体は「有効」なままです。「討論」においても回答の必要が生じません。つまり議論の本筋に関わらないのです。

後は一つの指摘について2回程度、指摘者と意見者がコメントを交わせるようにしておきます。意見者は弁解したり、元の意見を訂正します。ただし指摘者が指摘を外せるようにすると、それ(レッテルはがし)が目的化しそうなので、一度した指摘は外せない方がいいでしょう。また「指摘」はその程度のものとして、重要意見の評価とならないように配慮します。

「良くない意見」の類型

先の「アンチパターン」は、具体的でどれに当てはまるかたいへん見分けやすいのですが、「なぜ良くないのか」の論理的な理由にたどり着きにくいという欠点があります。またレトリックごとにパターンが増え、まとめが難しい。

そこで私なりに「良くない意見」の類型を整理してみました。議論のしかた - 議論のルールまとめに反する例の集まりとして整理でき、情報共有のどこで支障が起こりうるかを考えれば良いようです。(追記:各項目の参照先は先方サイト内のURI変更につき、ほぼリンク切れです。)

これだけでもけっこうな項目数ですが、実際のツール化では「議論の自己目的化」「サービス利用規約の違反」「誤記」といった指摘も需要があるでしょう。まだ整理不十分な点や表現の問題はあるかと思います。

アンチパターンの多くは論理的な「理由の欠如」に行き着きました。ここに具体的な項目を足していく事はあるかもしれません。

また重要な指摘に「矛盾」「難解」「誤解」「不完全な理由」などが考えられますが、それらは議論の本筋に関わるので必ず「質問エントリー」「回答エントリー」を立てるべきものと考え省きました。


〜『ウェブ上での議論専用のツールを考えてみる(下)』に続く。〜

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